身近な困りごとへの応答も大切

 こんにちは。「社会福祉士相談所 LOVE」です。

 最近、ある方のお悩みごと(困りごと)を聴かせて頂く機会がありました。

 その方は、ハンディキャップをお持ちで、移動や外出にタクシーを利用することも多いのだけれど、近年外国人観光客向け(?)の「ジャパンタクシー」という車種が登場してから、座席が高くて乗り辛く困っているとのこと…。

 さて。「社会福祉士」(社会福祉専門職)の皆様は、こういった相談にどう対応されますか?

 教科書的に真面目に制度活用を考えたら、「介護タクシーの利用を勧める」でしょうかね…。当事業所代表自身も実は、「介護タクシー」については疎いのですが、あれは車椅子を利用されている方には良いかもしれないけれど、歩行補助具等を活用しながら(或いは独力)で、歩行可能な方にとっては、「そこまでは必要ない」かもしれませんね…。

 或いは、「世の中はあなたのためだけに動いてはいないのですよ。そんなことを言うのはワガママですよ。ガマンして(頑張って)それに適応していくことも社会で生活していく上では必要なことですよ。」と説諭して、「自分は適切な指導をして自立支援を行った。」と1人満足されますか?もし私がクライエントの立場なら、その支援者には二度と相談しないでしょうね…。

 はたまた、「そのような個人的な個別具体的なことは、専門職(社会福祉士)の業務範囲ではありません。ご自分で努力されるか、ご家族の協力を得て対応なさって下さい。私は、たくさんのクライエントを抱えており忙しいのですよ。」とでも言い放って席を立ちますか?

 最初の「介護タクシーの利用を勧める」はまだしも、後の2つの対応は論外ですよね…。でもそのような対応をされる(少なくともクライエントにそう感じさせる)支援者、実は多いのですよね…。申し訳ありません。話が脱線してしまいましたね。

 さて。自身もタクシーを多用する当事業所代表はどうしたかと言うと、ご本人の承諾を得たうえで、タクシー協会に相談しました。勿論、その方のお名前や具体的なハンディキャップはお伝えせず、相談内容のみを要約し、「このようなご相談を受けたのだけれど…。」と相談させて頂きました。実は、私自身はジャパンタクシーでも乗れないことはないけれど、やはり「座席が高くて乗りにくいな…。」とは感じておりましたし、高齢者や妊婦さん等でも乗りにくい方は多いのではないかと思います。

 結論としては、タクシーをお願いする際に、「旧型でお願いします。」と要望して頂いて構わない。ということでした。協会の方曰く、「現状どこのタクシー会社も旧型の方が多いけれど、但し、旧型のタクシーが空いていない場合は、ガマンして頂くことにはなるけれど、ジャパンタクシーに乗って頂くか、別のタクシー会社にお願いする。ということにはなってしまう。」とのことでした。やはり、合理的配慮依頼の意思を表明することは大切なのですね。

 取り急ぎ今回の相談についてはこれで「解決」だけれど…。後日、当事業所代表がタクシーを利用した際に運転手さんと話していると、「ジャパンタクシーの方が燃費が良いので、各社出来るだけジャパンタクシーに変えたがっているし、旧型のタクシーは徐々に製造中止になっていくのではないか。」とのことでした。

 う~ん。そうなのですね…。業界の製造計画や、燃費等の問題でジャパンタクシーの導入を推進されることについては、当事業所が批判できることではないけれど、「旧型が無くなってしまっては困る方々もいらっしゃる」ということは、知って頂けたらなと思います。

 ただ…。「将来的にはね…。」の話ばかりしていても、先には進めない。当面出来ることとしては、本当に旧型のタクシーが必要な方々は、タクシーを依頼する時に、「旧型でお願いしたい。」と意思表示していくことで、気付いて頂くことが、遠回りのようで、実は最も確実な方法かもしれないですね。

【2025.3.2追記】

 先日、理学療法士の方が、当事業所代表の個人SNSにメッセージを下さいました。

 曰く、「高さ10cm程度の折り畳み式の踏み台を鞄に入れておけば、車の高さは問題にならないかもしれない。車種を限定してもらうより、簡単に環境整備が出来ると思う。」とのことでした。

 社会福祉士である当事業所代表には思いつかなかった、正に理学療法士の視点(専門性)を活かした大変有難い助言と思いました。

 環境の整備(今回で言えば車種の調整)、道具の活用、人(運転手等)の手助けを受ける(依頼する)、(過度な負担にならないのであれば)リハビリテーション等で身体機能を高める、等、その方の置かれている心身や環境の状況によって、選択肢はいろいろ考えられる。改めて教えられました。

 他職種連携の在り方も含めて、教えられました。ありがとうございました。

 

 

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