正しく、確かなことを「発信」する責任

時事問題

 こんにちは。「社会福祉士相談所 LOVE」です。

 SNSを見ていると、気になる投稿が目に付きました。

 「日本人が、年金保険料を毎月欠かさず納めても、受給額は7万円程度。だけど、永住資格を持つ外国人が生活保護を申請すると、12万円以上。医療費や住居費もタダになる。年金保険料を1円も払ってない外国人が、全部タダで暮らしている。」

 あのですね…。ほとんどの部分で誤りがあります。まず、

 ①「日本人が、年金保険料を毎月欠かさず納めても…。」ですが、年金制度は、保険料を納めた額に応じて受給出来る年金額に違いはありますが、日本人、外国人の区別はありません。同じように毎月欠かさず納めたのであれば、同じ額を受給出来ます。

 ②「永住資格を持つ外国人が生活保護を申請すると、12万円以上。」に関しては、生活保護制度は、「その方が生活する世帯の収入が、国が定める最低生活費と比較して、どれだけ不足しているか。」を基準に支給額が決められます。なので、そもそも「生活保護を申請すると、○○円もらえる。」と、一般論的にいうこと自体、「適当なことを言ってもらっては困る!」話です。

ちなみに、外国籍の方が日本に3か月以上滞在する場合は、それぞれの方に「在留資格」というものが付与されます。実は、この「在留資格」の種類によって、生活保護制度を利用出来る場合と出来ない場合があるのですが、「永住資格を持つ外国人」(在留資格は「永住者」)であれば、生活保護制度を利用することが出来ます。その際の支給基準は、先程お伝えした通り、「その方が生活する世帯の収入が、国が定める最低生活費と比較して、どれだけ不足しているか。」なので、利用出来る段階においては、国籍は関係ありません。

 ただ、この「永住者」の在留資格を取得するためのハードルは、相当に高いですし、日本に来て直ぐに「永住者」の在留資格を手にすることは出来ません。最低でも5年間は日本に滞在し続ける必要がありますし、その間日本の法令に少しでも抵触してしまえば、永住申請の際に大きな不利益になります。詳しくは、「永住許可に関するガイドライン」をご確認下さい。細かい規定の内容よりも、「相当なハードル」であることを理解して頂ければと思います。

 そして、決定的な誤りが③「年金保険料を1円も払ってない外国人が、全部タダで暮らしている。」です。日本に3カ月以上滞在する、20歳以上60歳未満の方は、国籍に関わらず、年金保険料を納める必要があります。

 本当、何を根拠にそう主張するのか?と逆に問いたくなります。

 参考:「外国人も日本で年金を払う必要がある?仕組みと免除制度を解説

 ちなみに、先に挙げた「永住許可に関するガイドライン」の中にも、(3)イの項目で触れられていますね。つまり、「年金保険料を納めていなければ、永住許可を取得することも難しく、生活保護制度も利用できない可能性が高くなる。」ということなので、むしろ真逆なのですね。

 更に言えば、日本人であれば、年金保険料を納めていなかったとしても、生活保護制度は問題なく利用することが可能です。

 そして本当に哀しい事なのですが、当事業所代表もお世話になっている、尊敬する先輩社会福祉士の方が、最初に挙げた投稿をシェアし、賛同していると受け取れるようなコメントをされているという現実があります。

 ここで、これ以上その方を正すような表現は控えたいと思いますが…。

 当事業所代表も含めて、専門職も人間であり、生まれながらの専門職など1人としていない。自身の感情や誤った情報に流されることもあるし、時には一個人として、あえて真偽不明な情報に触れて、面白おかしく愉しみたいこともあると思います。SNSを愉しみたいことだってある。

 だけど、何かを「発信」や拡散する際には、「それは、正しい情報?」と確認すること。そこは、意識しておきたいと自戒を込めて思います。

 

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